inidigo la endから見る恋情②「チューリップ」終わらせた恋
チューリップ
「チューリップ」は2020年にリリースされた楽曲。結構最近の曲だけれど、すでにyoutubeでは600万以上再生されていて殿堂入りしそう。
終わらせた恋
あなたが切った夜は少し大きすぎた
雲ゆきはずっとわかってたけど
一縷の光に期待してたの
この曲の登場人物は「私」と「あなた」。あなた、という言い方から、主格よりも主格の好きな人の方が精神的立場が上なのかな、とか思う。
主格の恋はずっと報われていなくて、最初からあなたに振りほどかれている。
それでも、「自分は馬鹿だから」と言い聞かせてしがみついていた姿がけなげに映る。
過去にならなきゃ2番目でも構わないって
口を開こうとしたけど
閉じてしまったものは
もう戻らなくて
この自分の気持ちを犠牲にしてまで相手に尽くす心って、普遍的だなあと思う。恋に限らずとも、「何番目でも構わないからここに居させて」という気持ちは日常の至る所に潜んでいますよねー。
川谷絵音は言葉遊びがすごく上手で、時々韻を踏んだり比喩を巧みに使ったりする。この歌でも、一番では「優秀賞なんていらない」、二番では「憂愁に閉ざされていた」という書かれていて「ゆうしゅう」が重なっている。こういう遊び心というか、仕掛けが好き。
さらにこの曲の仕組みとして面白いのが、白いチューリップと赤いチューリップを用いて二人の関係性を表していること。
赤いチューリップの花言葉・・・「愛の告白」「真実の愛」
白色のチューリップの花言葉・・・「失われた愛」
後半で、
赤かった2人は今日で終わって
雪に混じり合った
あなたの望む色になった
ああ、寒いな
という一節がある。
これは両思いだった二人=赤いチューリップが、雪に混じり合ってあなたの望む色=白いチューリップ=失われた愛になった、という描写であると読み取れる。
一番好きな箇所
さよならが
もうどうにもならないなら
せめて私を寒くなさって
「寒くなさって」という表現すごくないですか?冷たくして、とかあなたの手で終わらせて、そういう意味合いだと思うのですが、「寒くなさる」という風に表すの美しすぎて驚愕する。
メロディーについて
感想のギター超かっこいいよね。コーラスによって歌声が柔らかい印象になっているのも好き。全体的に寂しくて叙情的だけど、リズムが軽やかでかつ絵音さんの声質がサラッとしているので重くなりすぎていないのも良い。
まとめ
今回は「チューリップ」を聴いて、終わらせた
恋について見てみました。次は「悲しくなる前に」について書いていこうと思います。