cliché

駄文書き。amazarashi/歌詞考察/哲学/本や映画の感想/その他もろもろの雑感 について語ります。

自己肯定感が低いことは素晴らしい

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タイトルにあるようなセリフを、あえて言ってみる。

 

「自己肯定感が低い」と言っているうちは、たいして低くないのかもしれないけれど、私はあまり自分が好きではない。自信とか、自尊心が少ない、気がする。

 

それは良くないことで、改めるべきことだと思っていた。実際、YouTubeでも自己啓発本でも、「自己肯定感を高めましょう」みたいなコンセプトのものが話題になっている。

 

でも、先人のありがたい知恵を借りてもそう簡単に自分のことは好きになれないもので。自己肯定できなくて自己肯定感が下がる、みたいなトートロジー

次第にやけくそになってきて、開き直った結論がこれだ。

 

 

自己肯定感が低いことは素晴らしい。

大きく出たな。だけど実際、悪いことばかりじゃないのだ。

どんなメリットがあるのか、一つずつ説明しよう。

 

①自分を高められる

前置きしておくけど、ここで話すことは個人的に感じるメリットだから・・・自己肯定感が低い人は必ず上昇志向です☆みたいな意味合いではないことを補足しておく。そして別に私も全然意識の高い人間じゃない。

 

じゃあどういうことなのかっていうと、自己肯定感が低い人って、ベースとして「自分はダメな人間だ」「自分はヘンテコだ」みたいな認知を持っている。自分の評価を低く見積もりすぎている、といったほうが近いかもしれない。

わたしなんかダメだ、無能だ、とうなだれて、少しでもましな人間になろうとあがいて苦労して・・・って人が多い気がする。

 

自分が悪い、をベースに生きているから、自分のスキル向上に前向きというか・・・

「周りに迷惑かけまい」という意識が先行して、実は平均より頑張ってて成長性がある、みたいな現象が起きがち。

そのくせ、自分より上のレベルの人をデフォルトで見て、それを基準にしているから、「自分なんてまだまだだあ」って思っている。もう十分自分を褒めてあげていいのに、自分自身の粗探しをしているせいで認められない、ってこと、あると思う。

しかも無駄に反省会を開きがちで、夜ベットの中で悶々と自分の改善点を考えてたりする。

ナチュラルに上昇志向というか。

 

 

②人の痛みに気づきやすい

もちろんこれも比率の問題で。全然他人のこと考えてない人ももちろんいます。

でも、自己肯定感が低い人って繊細な人とか完璧主義な人が多くて。

細かいところによく気が付くから、人の痛みも気づきやすい傾向にある。

あと、家族間や幼少期に何かトラブルを抱えていたパターンの人も多い。

その分悲しみのセンサーっていうか、共感できるアンテナみたいなものが強化されていて、人の気持ちに寄り添いやすい人が多い気がする。

あと謎に自分が加害者になり得ることを本能的に理解していて、誰かを傷つけまいとビクビクしてませんか。

「私なんかがいらないことを言って空気を悪くしたかも・・・」

「今の発言でこの人傷ついたかも・・・」

的な。

そんなに深く考えなくてもいいと知りつつ、めちゃくちゃ気を使っちゃうんだよねえ。

 

 

 

③優しくなれる

このタイプの人は、

「こんなわたくしめを労わってくれて・・・申し訳ない・・・ありがたい・・・」

って思う機会が自己肯定感が高い人より圧倒的に高い。

いわゆる”よっ友”に挨拶されただけでも、「こんな私に、挨拶してくれるなんて、すごくやさしい・・・」と感激する。

相手としては社交辞令的に飲みに誘われたり、プレゼントをもらった時だって、

「自分なんかを誘ってくれるなんて、良いひと!きっと社交辞令で仕方なく誘ってくれてるんだろうけど・・・いや、もしかして何か裏があるのかも。怪しい仕事の勧誘かな・・・そんなことを考えるなんて私ってばひどい人間・・・」

なんて考えたりする。

それに対しての対価も丁寧に払うしね。

自分はすぐ嫌われて当然な人間だと思い込んでるから、尽くしてくれた人は忘れないし恩は1.5倍で返すスタンスをとっている。

とっても謙虚で、優しい人間じゃありません!?

 

なんてね

まあ、8割自分を正当化するための自己満な列挙になってしまったけど。

わかるなあって人多いでしょう、この現代社会で。

 

もういいよ。自分のこと好きになれなくていいよ。なろうとしてるだけ偉い。

そもそも、自分のだめなところもいいところも受け入れて、「そんな自分でもいーよ」ってすることが本当の意味での自己肯定だ。

「自己肯定感低くていーよ、低いのだって悪いことばかりじゃないよ」って思うことが、結果的に自分のためになるなら素敵じゃないかな。

 

「変化する」という武器

私の好きな言葉の一つに、「変わらないために変わり続ける」ってのがある。これ単体で何か書きたいくらい好きな言葉なんだけど。

自分を好きになるために、自分を好きで居続けるために、私たちーー自己肯定感の低い人たちーーは自分を変えようとする。

小さなミスでも自分を責めて、嫌って、二度としないぞと心に決めて、また挫けて・・・。

もっと”出来る”人を見上げて、自分を責めて、追いつけるように頑張って・・・。

 

こうやって自分を変えられることって、素晴らしいことだと認めよう。

自分を過小評価して、うなだれる時間をあえて褒めよう。

変わろうと思えるのは武器だよ。

そして今、「そう思っているだけで全然変わってないんだからダメだもん」ってため息をついた謙虚さはパワーだよ。

私は愚鈍にそう結論付ける。過去の自分も未来の自分も認めたいから。

自己肯定感が低い私、神^^くらい思っとく。