amazarashi Online Live 末法独唱 雨天決行レポ
最高だった……としか言えない……
どんな時も……私たちは芸術の前に無力……
記事に移る前に一点だけ、APOLOGIESだと微妙にライブ情報分かりにくいのどうちて!
準備不足だった私も悪いんだけど、ライブ前不慣れすぎてどこをどうしたら会場に入れるのか分からず友人に泣きつきました。PC版も作って・・・(小声)
あと、キャプチャ使っていいってほんと・・・?100枚くらいスクショしてしまったんだけど、記事に使ってもいいの?だめだったら誰かお教えください。公式がいいっていったんだからいいよね!?
- 映像
- オープニング
- 夏を待っていました
- ポエトリー1「雨天決行」
- 未来になれなかったあの夜に
- ポエトリー2
- あんたへ
- ポエトリー3
- さよならごっこ
- 季節は次々死んでいく
- ポエトリー4
- 無題
- ポエトリー5
- 積み木
- ワンルーム叙事詩
- ポエトリー「拒否オロジー」
- とどめを刺して
- クリスマス
- ポエトリー「曇天」
- 令和二年
- 馬鹿騒ぎはもう終わり
- ポエトリー6
- 夕立旅立ち
- 真っ白な世界
- ポエトリー7
- スターライト
- エンディング
- まとめ
映像
神聖なBGMとお経の映像が流れていて世界観増しましだった。
書き起こしたものなんですが、冒頭流れていた雨天念経、ポエトリー7の中国語verですね。
雨晒教
如是我聞 即使是無法破
(私は釈迦からこう聞いた たとえ無法破りであったとしても)
暁的漫長夜晩 難以忍受深深
悲傷 止血爬行上頭微弱的灯光
説服自己諦念 只為今天能作的
事情伸出援手 時間在流逝永不
退縮総是在哭泣悪口 皮剥了我
没有回首過去毎次都把此托付給
未来 十年過去了 総有一天総
有一天総有一天所以 我来看看
那看有一天 今天祈祷 今天担
心 今天作 今天笑 今天不休
息 今天不捨 今天痛苦 今天
唄歌 雨天決行 即使今天也没
有下雨晒 懐疑一切叫作命運
如果此跌倒了此就会悼下来凝視
着天堂 請不要泪喪 走向光明
オープニング
それぞれの歌に関連するMODがダウンロードされていて、「COVID-19」の文字や今までの死者数なども映されていました。
MODタイトルは「Disaster MOD」。
このライブに言いたいことを詰めこんでいるんだろうなあ、という気迫が伝わってきて吸い込まれました。
夏を待っていました
初手は『夏を待っていました』。大きな大仏(北海道の頭大仏にプロジェクションマッピングを使用して、「雨曝大仏」を演出しているらしい)をバックに、雨が降るステージで歌うひろむさん。雨天献灯で募った灯が飾られていました。
ポエトリー1「雨天決行」
「冬になっても、梅雨は終わらない」
「沈黙を目深に被る」
「そのいつかに用がある」
ひろむさんのポエトリーって本当に言葉遣いが独特で、彼が見た世界であり、吐きだした言葉なんだなと実感します。
このライブでは、「いつか」が一貫してテーマになっている気がして、ひろむさんのメッセージには一貫して「雨」がテーマに持ち出されているのかなって考えます。
↑の記事でも触れたけど、
「雨の中でも走っていけるか」「嵐の中でどう踊るか」という「雨天決行」が主軸にあるんだなあ。
未来になれなかったあの夜に
次に『未来になれなかったあの夜に』が来ます。
大仏が先住民族みたいなペイントを施したデザイン(なんていうんだろう)になっていて、印象的でした。
あと、献灯されたメッセージのそのどれもが素敵で、叙情的で、ああ、なんというかamazarashi好きな人がここに集っているのだなあと実感しました。
ポエトリー2
「まだ逃げてないだけの男」
「祭り提灯に揺らいで橙」
あんた、というワードが散りばめられていて、あんたへかな?言葉、もちょいちょい出てくるから『それを言葉という』かな?とかも思ってました。
田名部、ってたなぶっていう青森の地名なんですね、一緒に観てくれていた友達が教えてくれました。知らなかった・・・
あんたへ
改めて全曲弾き語りってすごいなあ。。。『あんたへ』ってほんとに弾き語りが合う曲ですよね。
あと、後ろの背景が雨じゃなくて白い縦線に変わっていて、ふとカーテンみたいに見えるなと感じました。頭大仏の場所自体が屏風みたいに山折り谷折りになっているデザインなので、カーテンのヒダに似ていて。
閉じきったカーテンから漏れ出る昼間の世界に似てるなあと...。
(ちょうど縦線が入っているところのキャプチャーは撮れてないのですが)
ポエトリー3
MOD名「RUIN」。
「さよなら」「季節」をめぐるポエトリー。
「季節が変われば気持ちも変わると嘯いた」
「何故そんな綺麗なんだって尋ねれば、君がしょっちゅう取り出して撫で回すからだと眉をひそめた」
「灯油ストーブは後悔を捲し立て」
どうやったらこんな言い回しが紡ぎ出せるんだ~~~。
さよならごっこ
青ざめる雨曝大仏。すごく純度の高い青色で綺麗。
次第に色を変えていって、渋い緑色へ。
聞きながら「どろろ」また見たくなったなあ。
蛍みたいにグロウする大仏も美しいです。
季節は次々死んでいく
今度はツタに巻かれた大仏。季節の移ろいに合わせてプロジェクトマッピングが変わっていきます。
途中枯れてゆく葉も、最後には色とりどりの花を芽吹かせていて、季節の生き返りを感じました。
途中咲いていた白い花はジャスミンかな。ジャスミンは好きな花なので(ハンドルネームの由来にしてるくらいには)もしジャスミンなら嬉しいな……
ポエトリー4
カラフルな花たちが咲く中、『無題』のポエトリー。
一瞬『名前』か?と思ったのですが、『無題』のMCでした(字面が少しややこしい)
聞いて貰うためには名前が必要、というところでしみじみしました。
そこに存在するために、せめてもの名前が必要なんだなあと。
もうamazarashiも十周年なんですね、早い・・・。私が初めてamazarashiに出会ったのは5,6年前なので、圧巻です。
欲を言うならインディーズ時代の頃から追いかけ続けたかったなあ。これからずっとずっと追いかけるので良いですけど!!!
無題
今までとは打って変わって、シンプルな装飾でそのままの大仏を背に歌うひろむさん。
その素朴さが『無題』らしくて好きです。
そこから一転、「間違ってたかな」の部分で大仏がガラガラと崩れ落ちて血肉のような赤い中身が見える。本当に崩れちゃったんじゃないかと思うほど自然で、プロジェクトマッピングってすごいな…って思いました。
何もかも崩れ去って、一度無に帰ったステージ。暗闇のままポエトリーへ。
ポエトリー5
「成し遂げた風の落書き」
「ついには息を止めた僕らの昨日」
なんというか友人とも話していたんですが、10周年を記念したセトリにもなっているんだろうなと感じていて、全体的にamazarashiという人生の集大成、走馬灯を見ているような気分でした。端々の言葉に、STAR ISSUE時代の事を暗喩しているのかなあとか邪推してしまいました。
積み木
そしたらSTAR ISSUEの時の「積み木」が始まって感涙。
『あんたへ』でも「一つ一つ積み上げては 僕等積み木で遊ぶ子どもみたい」という一節があって、積み木とリンクするところがあるんですよね。
積み木を組み立てるみたいに、壊れた大仏が再建されていきます。
ゆったりしたメロディーがすごく染み入ってきて、良かった。最高でした。。
ワンルーム叙事詩
MOD名「GREAT FIRE」。
『ワンルーム叙事詩』が来るとはあんまり予想してなかったのでびっくりしました。
ひろむさんの裏声って本当に儚くて澄んでいて綺麗。
再建したはずの、「積み上げたガラクタ」である雨曝大仏は焼き払われて、黒い灰になってしまいました。
と、同時にひろむさんの今までの決意というか、節目が見えた気がする部分でもありました。
あと、Cメロ開けのサビ、まじでストロークに刻み方ががかっこよすぎてびびりました。さっきまでゆっくりした曲調だった流れが一気に切り替わって、リズム良く響く「燃えろ」の言葉が本当にしびれた。
ポエトリー「拒否オロジー」
「応答せよ、応答せよ。」
来た・・・!と鳥肌立った。
ボイコットの中で一番好きってくらいお気に入りの拒否オロジー、安定してかっこいいポエトリーでした。
血みどろになっていく雨曝大仏に合わせて、曲がぬるっと変わります。
とどめを刺して
血まみれだったはずの大仏が別の模様に変容して、『とどめを刺して』が流れ出す。
仏教関連の教養がない自分が恨めしい!この大仏の模様というか、ペイントはなんというものなのでしょうか。ライブ独自のデザインかしら?気になります。
ひろむさんの高音と裏声は本当に綺麗(2回目)。
それと、ひろむさんの曲はちょこっと歌詞が抜けたり詰まったりしてもそれでひとつのライブオリジナルというか、作品になって素敵だよなあと思うのはファンの贔屓目でしょうか。。
クリスマス
MOD名は「WAR」。
『ミサイル』かなとか『古いSF映画』かなとか考えていたのですが、次に流れ出したのは『クリスマス』で、これもちょっぴり意外でした。といっても、自分の中では比較的聞いてない方の曲だったのでそう思ってしまうのでしょうけれど、すごく新鮮な気持ちで聞き込めました。
ミサイルの形をした「雪」になぞらえた歌詞が綺麗。
12月だからこそこの曲も選んだのかなとかも考えました。
ポエトリー「曇天」
MOD名は「PANDEMIC」。
令和二年に引き続き、コロナ禍でのやるせなさとか、日常の中での不甲斐なさを歌ってくれているような一曲でめちゃくちゃかっこよかった。
特に「わからない奴は分からないままでいい 分かるべき奴だけが気づくテレパシーで作詩してる作品」のところ・・・・・・・・・・。
韻もかっこいいし、とにかく分かる、というか、(烏滸がましいけど)「私たちに向けて歌ってますか!?!?いや、ますよね!?!?!?」みたいなオタク感情が湧き出てきて大変だった。
あと「結局は権威主義の上で尻尾を振れってまじか」の「まじか」のかわいさ。
なんつーか、口語的な乱暴な口調がスッと挟み込まれているのがすごく好き。
「明日なりうるあなたの姿だからだ」の部分はもう本当に、秋田ひろむさんだからこそ書ける言い回しというか、その歌詞を書く優しさにありがとうと救われた。
歌い方も、「カサブタ」のところや「場所まで」「暮らし」の語尾もすこし投げやりさがあって好き。
あと映像の青いサンゴ礁のような枝はなんなのか気になる。
令和二年
大好きな『令和二年』が来てやった~~~となりました。
ガスマスクつけてる雨曝大仏のインパクトはすごい。
何度も言っているけどプロジェクションマッピングってすごいなああ、本当に立体感あって、大仏にホースつけたのかなとか錯覚しましたもん。
危険信号のような蛍光色の黄色が目に眩しいですね。
馬鹿騒ぎはもう終わり
そして『馬鹿騒ぎはもう終わり』。
全体的にシックでバーのような雰囲気があってすごく好み。全曲の中で見ても僅差で上位に食い込む曲調かもしれません。
リズムも音程もすごくしっとりしていてほんとにかっこいい。
「今は亡き17歳」のとこの音程の移り変わり方とかほんとうううにおしゃれでセクシー。
「正しさは時々ヒステリー」
「影踏みというより影踏まれ」
あたりの歌詞にひろむさんのエッセンスを感じました。
ポエトリー6
MOD名「HEAVY WEATHER」。
「まさか」というワードもこのライブで良く出てくるなあと思います。
やっぱり災害や雨天決行をモチーフにしている分、まさかという感情も重要になるんだろうなあって。
「五行の叙情」という短い言葉だけでじんとします。
夕立旅立ち
『夕立旅立ち』の雰囲気大好きだ~~。ジャッジャジャカしたギターの弾き方が軽やかで素敵。
また大仏が燃えているんだけど、今度は内なる炎を秘めているような熱さがあって暖かい。よくみたら赤文字で梵字が映し出されているのがわかる。なんて書かれているのか知りたいな。。。
真っ白な世界
『クリスマス』に引き続き冬の曲。
雪のように文字が舞い積もっていく様子が綺麗でしたね。
この曲もたしか弾き語り初めてなんですよね、生で(生じゃないけど)聞けて嬉しい。
ポエトリー7
そしてポエトリー7!冒頭でもいったけれど、「雨天念教」もこのポエトリーと共通しているんですね。
今日、雨が降っていても、それでも今できることをやらなくちゃいけない。光に進まなきゃいけない、そんな生への「素直な目線」。ずっとずっと、自分の思い通りにいかない渦中で、悩み傷つきながら私達は歩いてきた。移ろう季節の中日々を作って、他人から見たらガラクタみたいな思い出を積み上げて燃やして。
その中でようやく、少しずつ感じられるようになった喜びや光を抱きしめて、ちゃんと明日に進んでいかなきゃいけない。
こんな時代だからこそ。
そんなことを感じました。
スターライト
そして始まる『スターライト』。大きく白い翼を広げて、大仏が神聖に佇んでいます。
たくさんの光が、銀河鉄道みたいに流れてきらめいて、もうカタルシスofカタルシス。
ここまで溜め込んだ感情が満を持して解き放たれた感じ。
ただひとつ、amazarashiのアイコンでもある目玉たち、可愛らしいし演出に合わせて動くの細かくて好きなんですが、めちゃめちゃ存在感あってしばし注意をもってかれてしまった。
でもほんとに、「空に投げるよ」で上を向いたり、「隣にあなたがいるなら」で目玉達がこっちを向いたり、「赤い目玉」で紅くなったり、細かい演出が面白かったです。
最後金色の襷のような翼が大仏を纏ったのも神々しかったですね。
エンディング
すべての関係者にありがとうございましたと言いたいです。ひろむさんの歌を届けてくれてありがとう・・・・・・。
まとめ
最高。あまり軽い言葉を使いたくないんだけど、仕方ないよ、最高なんだもん。素晴らしいものの前に語彙力なんて出せないよう。でも、とにもかくにも、この令和二年の幕引きに、こんなに素晴らしいライブを残してくれたことが嬉しい。
あわあわあわよくば、『虚無病』とか『未来づくり』も聞きたかったなあってわがままも残しておく。。。
前回中止になりかけたライブも、お友達の情報によると必ず別の形でやってくれるってことで、延期の形をとってくれるみたいだし。
これからも、ずっとamazarashiを歌を聴き続けていきたいと思えるライブでした。
雨天決行、末法独唱。
「いつか」を今紡いで、雨の中でも走って行くよ。